笑顔

9日、対抗戦開幕戦。難敵・筑波を相手にいきなりのハットトリック、マン・オブ・ザ・マッチに
選ばれたのが2年生WTB古賀由教選手。

「僕はただフリーでもらって、あとはボールを抑えるだけだったので…。(後半のトライは)自分の
良い間合いでステップを踏めたのかなと思います。僕の仕事はそこ(トライ)にあると思うので、
トライを取り切ってFWを楽にさせられるように。」

自身の活躍を謙遜しながら振り返りつつも、前半1分の先制トライで見せた一瞬の加速、後半3分の
ハットトリックを決めたトライで見せたキレ味鋭いステップワークは、積み上げてきた下半身強化の
成果。

「下半身のウエイトがすごい苦手だったのですけど、そこを意識して取り組むようにしています。
去年は監督の考えもあって下半身よりもコンディションを優先させてという形だったのですけど、
今年は自分から取り組んでいけています。」

トレーニングでは瞬発系のメニューを重視、目に見える数字に手応えを感じます。

「スピードがしっかり上がってきていて、夏には秒速9.5メートルという形で、GPSでもスピードを
出せてきています。一瞬のスピードで流れを変えられるようなWTBになりたいと思います。」

難しい初戦でチームを勢いづかせる3連続トライ、指揮官もその活躍に目を細めます。

「期待通りというか、力をしっかり出してくれたなという感じです。」(相良南海夫監督)

古賀選手の良いところを続けて聞くと「天真爛漫なところですかね。」(同監督)。
試合中は外側から声を絶やさず、自らのトライに喜びを爆発させるのと同じくらいチームメートの
トライも満面の笑顔で駆け寄ります。

「声は僕が引っ張らなきゃいけない部分です。大切なことは(齋藤)直人さん、岸岡さんとかが
しっかり言ってくれるので、僕はディフェンスのコントロールとかを言えるようにしています。
(プレー中は)僕が一番楽なので、皆がトライ取ったらしっかり寄りにいけるように…試合中、
みんな険しい表情なので、ちょっとだけ元気を与えられるようにしています(笑)。」

話を聞いている間も終始、笑顔を絶やさず。ともにバックスリーを形成するルーキー二人(長田
選手、河瀬選手)についても「仰星さん出身ですごい理解力がある二人、僕が何を言うことも
なく、(逆に)僕に色々指示してくれるので助かっています。」と笑います。

チームメイトや周囲を和ませる言動にも、秘めたる思いは熱く。大学生に入って作ったという
マウスピースには「乾坤一擲」の文字を書き入れます。

「高校生の時、副担任の先生がずっと言い続けていた言葉です。男は一か八か、のるかそるか
勝負する時が必ずあるから、そこでしっかり力を発揮出来るような男になれと。」

ルーキーイヤーの昨季は早慶戦で負傷し、涙の離脱。シーズン最終盤をピッチ上で迎えられずに
終わります。

「去年は戦う事がすごいフレッシュで面白かったのですけど、今年はやっぱり責任もあると
思うので、まずはチームから離脱せずに最後まで戦い抜く、正月を越えるということを意識して
自分の体を作っていきたいと思います。」

今年こそチームが苦しい場面、大一番で力を発揮できるエースに…古賀由教選手の2年目の戦いが
始まりました。【鳥越裕貴】




(写真)前半12分、オフロードパスを受けてインゴールに駆け込むWTB古賀由教選手。
アタックだけでなくディフェンスの意識も高く。「キックチェイスで、僕が早めにタックルして、
相手のFWを下げるというのをずっとテーマでやってきたところなので、そこが出来たところが
何コかあったのは良かったと思います。ただ、僕が見切ってしまって外側を抜かれてビッグゲイン
された場面が一つあったのでそこは修正しなければならないです。」

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