上々

9日、対抗戦開幕戦で筑波大と激突。試合は攻守に前に出続けて55-10で快勝。試合後、記者に囲まれた
相良南海夫監督は安堵の表情を浮かべます。

「ホッとしています。ずっとディフェンスに拘ってきているので、まぁ1トライ取られましたけど、
よく前に出て圧力をかけてターンオーバーをしていた…そういうところが良かったと思います。アタックも、
ミスボールを仕掛けてその切り返しでスコアしたというのが何本か、それは今年やりたかったことなので、
形に出てくれました。」

立ち上がり1分、スクラムからタテ、タテと突いてから一気の大外展開、WTB古賀由教選手がトライを
取りきると、「その後、緩まなかったのが良かった」(相良南海夫監督)と前半12分にもCTB中野将伍選手の
突破からWTB古賀選手が連続トライ、試合の主導権を握ります。

序盤はしっかりとエリアマネジメント、敵陣で試合を進めるものの前半途中からは吹き付ける強風が
司令塔SO岸岡智樹選手を悩ませます。

「風がとても強くて太陽も昇っていたという関係もあり、キックを使うオプションのところで判断は
間違ってはいなかったのですが、僕のキックの種類だったり、蹴りすぎだったりが前半は大きな反省点。」

風に流されたボールがことごとくデッドボールラインを越えて、自陣で守勢に回りつつもダブルタックル、
そして的確なカバーリングとディフェンスは崩れず…相手にトライを与えず、17-3で前半を折り返します。

試合が大きく動いたのは後半立ち上がり3分、NO.8丸尾崇真選手がディフェンスで前に出て、相手のボール
コントロールを乱すと、こぼれ球をスーパーセーブ。古賀選手のトライの起点となるビッグプレーで
流れを掴むと、ここから更に5トライと畳み掛けて筑波を圧倒します。

「今日は大事な試合でした。接点でどれだけやれるか…筑波さんもそこに強みがあるので、接点が勝負に
なると思っていました。うちとしてはやりたいことを選手がよくやってくれたと思います。」
(相良南海夫監督)

と指揮官が頷けば、この日対抗戦デビュー戦を迎えたルーキーPR小林賢太選手も

「やろうとしていたことが全部出来ました。ゲインラインの攻防で前に出るというところで、アタックも
ディフェンスも前に出られたので良かったと思います。」

と胸を張ります。多彩な攻撃を見せた試合の中で、起点となるSH齋藤直人選手が前後半あわせて8トライの
猛攻を振り返ります。

「全員がオプションになる意識を持つことで、色んなところが空いてくるという話をしていました。
その通りに全員が動けていたのは良かったと思います。」

チームスローガン”Moving”の言葉通り、全員が攻守に動き続けて難敵・筑波を相手に完勝、指揮官も
スクラムなど課題をいくつか口にしながらも、手応えを掴みます。

「上々。今日は勝つ事が最大の目標だったのですが、内容的にもいい内容で勝てたので上々のスタートです。
イーブンボールに仕掛けて、厳しい局面…ディフェンスでボールを取り返すところ、そこから理想としては
仕留めたいという話をしていますけど、そういうのが今日はいくつか形に出ました。選手にとっても良い
成功体験になったと思います。」(相良南海夫監督)

思い通りの試合運びに試合後、首脳陣も選手もスタッフも皆、笑顔。100周年のメモリアルイヤー、
10年ぶりの日本一奪回に向け、好発進です。【鳥越裕貴】



前半、スクラムからビッグゲインを見せるNO.8丸尾崇真選手。攻守に見せ場を作りチームを盛り上げた。

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