23日、対抗戦・成蹊大戦。この試合で対抗戦アカクロデビューを果たしたのがルーキーCTB中西亮太朗選手。
立ち上がり前半12分には、セットアタックからディフェンスのギャップを突いてトライも記録します。
「自分の得意なカットインの形からトライを取ることができて、あのトライ自体はすごく自信になりました。」
スタメンフル出場、80分間攻守にアグレッシブに前に出続けた1年生に首脳陣も高い評価を送ります。
「あまりキレがあるとか、速そうではないんですけど、彼はゲームになると間合いが見えている。最初の
トライとかも鋭く空いているギャップの裏にしっかり出てくれましたし、それ以外のところでも（前に）出て
いたので、期待通りでしたね。」（相良南海夫監督）
「結構、練習ではミスするのですけど本番に強いタイプ。いつでも自分で考えて、前見て判断するので、
良い持ち味が出ていた。内外しっかり見ながらも、前が空いたら自分でしっかり突いてとスゴい良かったと
思います。」（古庄史和コーチ）
早稲田OBのお父様の影響もあって、幼い頃から毎年のようにワセダの対抗戦・大学選手権に足を運んでワセダを
応援、漠然と憧れていたアカクロを現実の目標として意識し始めたのは中学生の頃でした。
「大学でワセダでアカクロを着たいという思いが強くあって、中学から進学する上で早実を選びました。」
早実での3年間を経て、憧れの早大ラグビー部へ。アカクロデビューこそ同期の小林賢太選手、長田智希選手、
河瀬諒介選手に先を越されたものの、対抗戦2戦目でライバル達に肩を並べます。
「（先を越されて）悔しい思いも最初はあったのですけど、あの3人が上級生と遜色の無いプレーをしていて、
自分としても、とても嬉しく思いましたし、刺激にもなりました。」
層の厚いCTB陣で巡って来た初スタメンのチャンス、緊張したと振り返りながらも、それを上回ったのは憧れの
ジャージを初めて着られる喜びでした。
「校歌を歌っている時に自分が今まで見てきた舞台に立てている実感が沸いてきました。今日の午前中とかは、
緊張していた部分もありましたけど、アカクロを着て、このワセダのAチームとして戦えるという事への楽しみの
方が強くなり、嬉しく思いました。」
課題は周囲との連携。「周りを上手く動かせるぐらいのコミュニケーションだったり、指示だったりそういうのが
出来てくればもっといい選手になる」と指導する古庄史和コーチも期待を込めます。
「外に展開するシーンは、自分がデコイ、囮のランナーとしてやっていたのですけど、実際そこで自分が囮じゃなくて
ボールをもらっていたら、大きなゲインが取れていたと感じた部分もあったり、自分がパスをもらって、自分からの
パスで作れたかなという思いも自分の中にあります。」
と、中西選手自身もしっかりとコミュニケーション面を課題認識、更なる高みを目指します。
「最初の筑波戦から（アカクロを）着たいという思いはありましたし、常に着たいという気持ちは強くあります。
自分はとにかくボールタッチの回数を増やして、ゲインを切っていくというのを武器にして、ワセダのスタメンを
取れるよう頑張りたいと思っています。」
絶対的存在である中野将伍選手、桑山淳生選手とのポジション争いにも気後れなくルーキーイヤーから勝負を懸けます。
【鳥越裕貴】
前半12分、デビュー戦でトライをあげる1年生CTB中西亮太朗選手。祝福に駆け寄ってきたSH齋藤直人選手が
「もっと、喜べよ（笑）」と一言。「自分的には嬉しかったのですけど、そんなに表情に出るタイプじゃないので
（苦笑）。先輩達が駆け寄ってきてくれて更に嬉しかったです。」（CTB中西亮太朗選手）