成長

21日、日本体育大戦。前半は相手外国人選手の力強い突進に苦しめられ、更にはミスが重なって21-10と
僅差での折り返し、SO岸岡智樹選手が振り返ります。

「要らないミスがちょっと多くて…。例えばハイボールの競り合いの中でのノックオンなら仕方ないと
思うのですけど、要らないノックオンだったりで。」

それでも戦況を冷静に見極めて後半にギアチェンジ、7連続トライと畳み掛けて終わってみれば68得点、
ディフェンスでも付け入るスキを与えず無失点で大勝します。

「前半の最後の方から相手の足が止まりかけているのが、僕の中で印象としてあったので順目、順目にと
純粋に走り勝って、今年のテーマである『Moving』に拘り、動き続けました。前半はキック主体だったの
ですけど後半は自陣から果敢に攻めて、ボールを継続して前に出て行けば、点に繋がるとハーフタイムに
再認識しました。後半はそれを意識して大差という結果になったので、修正はしっかりできたかなと
思います。」

試合を立て直す修正力を見せた一方で、先々の戦いを見据えるともっと早い時間帯に選手達だけで流れを
変えなければならないと背番号10は課題を口にします。

「コーチが見えている部分と選手が感じている部分をハーフタイムですり合わせて修正するのですけど、
それがトライを取られた時のハドル(円陣)で出来たら、前半から流れを変えられたと思うので、そこが
自分たちの課題です。強い相手に対してめちゃめちゃ点差を離された時に(ハーフタイムの修正では)後半
追いつけなかったりするかもしれないので、(修正点を見つけて)声がけして、流れを変えられるかが自分の
課題、チームの課題として認識しています。」

司令塔としての重責を担いながらも、自らの動きの中で成長点として話すのが後半20分、CTB長田智希選手の
トライの場面。ラインアウトからBK展開、岸岡選手がCTB中野将伍選手にボールを預けると再びボールを
もらえるようにポジション移動。相手のディフェンスが中野選手のタテ突進と岸岡選手のループに注意が
分散したスキを長田選手が突いて鮮やかな独走トライを記録します。

「元々(長田選手が突く)サインでした。中野という僕らの強みもありますけど、相手も結構巧くタックルで
倒してきていたので、相手としたら僕に回られてループをされたらイヤかなと。パスして仕事がなかったので、
それだったら2回目の仕事をしようと回ったら案の定、相手が釣られてきました。あれは個人としての成長
ポイントと思いますし、そこを見て頂けたなら嬉しいですね(笑)。」

全員オプションを掲げる今季のアタックにおいて、高い精度のパス、キックで攻撃を組み立てながらも自らも
オプションの一つとなるべく、ボールを持たないところでも意識高く動き続けます。
対抗戦4連勝で、次戦は全勝対決で迎える王者・帝京大戦との大一番。

「過去2回対抗戦でやっている中で、毎年前半10分、体をぶつけて全然イケるよね…ってなるけど、ずるずる
行って負けてしまう。今年は夏に一回勝ったという景色を見ています。今までみたいにやってからイケるよね
というのではなく、初めからエンジン全開で勝ちにいけると思っています。」

プレーヤーとして司令塔として成長を重ねた3年目、勝負の時を迎えます。【鳥越裕貴】



後半、攻撃を組み立てるSO岸岡智樹選手。王者との一戦を前に慢心無く。「(帝京も)夏の時は
ケガとかで本来出てくる選手がいなかったりしたので。あちらもリベンジと思ってくるかは分からない
ですけど、そういう気持ちで来ると思いますし、僕らもずっと勝っているわけではないので、
チャレンジャー精神を持って臨みます。」

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