四年

18日、ジュニア選手権入替戦。3年前にカテゴリー2へ降格となった時と同じ流通経済大が対戦相手、当時
1年生で出場していた選手にとっても特別な位置付けの試合となりました。

「全体は覚えてないですけど、外国人選手にやられて…。(当時は)ディフェンスで勝とうというマインドも
なかったです…。」

そう振り返るのは3年前の戦いで後半から出場したWTB佐々木尚選手。そしてもう一人、先発出場していた
HO峨家直也選手は当時の事を

「すごい覚えています。自分がHOとしてセットプレーで圧倒できなくてチームに勢いをつけられなかった。
フィールドプレーでも目立つ事もなかったですし、居るだけという感じでした…。」

と話します。ルーキーイヤーの苦い経験から3年、最上級生となった今の4年生にとってこの試合は「しっかり
4年間で成長したところを見せる」(HO峨家直也選手)ための戦いとなりました。

先発出場に4年生が7人。序盤、FL西田強平副将、CTB船越明義選手が好タックルを連発してチームに勢いを
与えると、前半15分FL西田強平副将、後半2分WTB桑山聖生選手とリードを広げるトライを4年生が記録、
プレーでチームを牽引します。

後半8分、10分とタテ続けにトライを与えて一度は逆転を許すものの試合を引っくり返したのはやはり4年生の
活躍でした。後半26分、SH貝塚陸選手が持ち出したところにCTB船越明義選手が反応、最後はHO峨家直也選手が
インゴールに飛び込んで再逆転。4年生が連動して奪ったトライ、繋ぎ役として機能した船越選手が笑顔を見せます。

「(SH貝塚)陸が仕掛けたので、ちょっと溜めて行こうかなと。結果的に陸もベストなタイミングで放って
くれましたし、(ゲインしながらも)峨家の声もすごい聞こえてきたので、これは放るしかないと。ラッキーな
ところもあるのですけど、自分たちが4年間向き合って成長してきたところがラッキーな要素を引き寄せられたん
じゃないかなと思います。」(CTB船越明義選手)

要所で4年生が存在感を見せた試合。応援に駆けつけたOBの広瀬泰斗さん(16年度卒)も自身が主戦場として
活躍していたジュニア選手権の良さを、個人的な考えと前置きした上で話します。

「ワセダのラグビーを一番表現しているのがAチーム。Bチーム以下のジュニアの試合は個人の人間性が見える
のかなと思いますし、それが特に見えるのがジュニア選手権。Aチームの試合がまだ残っているので、
そこに対してあきらめていないという姿勢、体を張った姿が(西田)強平、(貝塚)陸ら4年生全員に試合を
通して見られたと思います。」(広瀬泰斗さん)

その言葉を伝えるとFL西田強平副将も頷きます。

「僕達(Bチームメンバー)は才能とかじゃなくて、ワセダらしさ、泥臭さがないと勝てない。それを証明するべき
試合が今日の試合だと思っていました。4年生はいいプレー、すごいプレーというよりワセダらしさ、泥臭さを
出そうという事を意識していました。」(FL西田強平副将)

2ヶ月続いたジュニア選手権もここで一区切り。ここから先、Bチームメンバーのアピールの場は日々の練習、
上井草でのAチームとの、そして自分との戦いが待ち受けます。4年生がそれぞれの言葉で誓います。

「体を当てるところであったり、アタックでもディフェンスでも前に前に出て行く…その切り拓くところを
自分が役割としてどんどん磨いていかなきゃいけないです。そういう意味でも今日はアタックで高く当たって
しまって、相手に持ち上げられるシーンもありましたし、まだまだ自分のスタンダードを上げていかなければ
ならないです。」(CTB船越明義選手)

「初めてディフェンスで勝つというのはこういう事なのだなと思いました。自分の武器であるアタックの部分
では、スピード、ステップ…そういうところを伸ばしつつ、やっぱりディフェンスで勝つと言っている部分が
あるので、チームに浸透していけるようなディフェンススキルを身につけたい。」(WTB佐々木尚選手)

「僕らはこれで終わりじゃないですし、まだまだAチームに上がってやっていかなきゃいけないです。その中で
結果は勝てたのですけど内容は反省点もあります。セットプレーのところは精度を高くしていかなければ
ならないですし、タックルなどフィールドプレーも自分の持ち味を出して、自分が出ないとダメだと周りに
思わせたいです。」(HO峨家直也選手)

「ここがゴールではないですし、僕達が日本一を取るまで挑戦し続けないといけないと思っています。もう
(Bチームの)公式戦はないので、僕自身やっぱりタックルの強みを練習中から見せていかないといけないです。
そこを意識してアピールしていきたいと思います。」(FL西田強平副将)

秋から冬へ、4年生の持つ総熱量がここからチームを押し上げる原動力となります。【鳥越裕貴】



後半、突進する4年生WTB佐々木尚選手。途中苦戦をしながらの再逆転勝利。
「一瞬だけFWのまくりがなかったり、逆目に残ってる選手が多かったので、もう一度首を振って
状況判断をしようとチーム全員にマインドを持たせて修正してその後はよくなったと思います。」

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