入部

13日、晴天の上井草グラウンド。桜吹雪が舞う中で行われた入部式は例年通り、松嶋敏泰部長、大東和美ROB会長、
相良南海夫監督の挨拶に始まり、新入部員の決意表明、そして部歌・北風斉唱と滞りなく進行。晴れて入部を認められた
33名の一年生、東福岡高校から入部した吉村紘選手が気持ちを新たにします。

「ワセダの伝統というのを時間が経つに連れて感じています。入部式でこれだけ多くの方が集まってくれたりだとか
クラブハウスにある歴代のトロフィーだとか、チームの文化を感じていますし、すごい部活に入ったんだなと実感
しています。」(吉村紘選手)

吉村選手にとってワセダは幼い頃からの憧れのチーム、五郎丸歩選手らがアカクロジャージで国立の芝を駆け抜ける姿が
印象的だったと話します。

「ジャージとか日本一を獲っている姿がカッコイイなと。小学校1、2年生の頃からワセダに行きたいと思っていました。」
(吉村紘選手)

更に同じ福岡・鞘ヶ谷ラグビースクールの出身であり、今季4年生となる中野将伍選手とも「一緒にラグビーをしたい」
(吉村紘選手)とワセダ進学の決め手となったと振り返ります。幼い頃からアカクロジャージに憧れを抱き、身近な先輩の
存在を追って上井草にやってきたのは桐蔭学園出身の小西泰聖選手も同じ。

「初めて見たのが国立競技場でやっていた早明戦で、その時ワセダが大勝したと思うのですけど、カッコイイなと思った
憧れがずっと残っていました。」(小西泰聖選手)

そして何といっても高校の先輩であり、同ポジションの齋藤直人主将の存在が小西選手をワセダへと導きます。

「(齋藤主将は)僕自身の中で日本の中で一番うまいSHだと思っているので、大学選んだ理由にもそういうのも入って
いますし、一番うまいSHのもとで学べるだったり、競えるように頑張りたいと思います。今は手が届かないところにいると
思うくらいすごい人なのですけど、できるだけ多くのことを学んで吸収して一緒にプレーできたらと思います。」
(小西泰聖選手)

吉村選手、小西選手を始め、33名の新入部員がそれぞれの思いを胸に、早大ラグビー部員としてスタートを切った一日、
支える上級生の側も決意を新たにします。

「今年は”For One”というスローガンを掲げる中で、新たに33人の仲間が加わって、129人となりました。129人全員で
同じ方向を向いてやっていかなければならないですし、このプレシーズン、4年、3年、2年の全体を見渡すようにして
いましたけど、より一層広い視野を持って行動していきたいです。」(齋藤直人主将)

1年生に対しては先輩を利用するくらいの気持ちでいて欲しいと言葉を続けます。

「これだけ色々と環境があって、色々と努力している先輩がいます。周りをみて分からないことがあれば、教えて
くれる先輩だったりコーチだったりを自分から利用して…利用してと言うのも言葉が変ですけど、自らアクションを
起こして成長して欲しいです。」(齋藤直人主将)

チームをマネジメントする宇野明彦主務も環境面で早く1年生がチームに溶け込めるようにすることが大切と話します。

「チームとして取り組んでいることを浸透させるためにも、上級生であり委員である自分たち幹部がしっかり話して
いくことがチームの一体感に繋がると思うので、寮の中でも積極的に話しかけたりしています。」(宇野明彦主務)

新入部員が口を揃えて優しくて過ごしやすいという寮生活、それでもグラウンドに出れば厳しい勝負の世界が待って
いることを小西泰聖選手はしっかりと自覚、その思いを決意表明の言葉に乗せます。

”一年生は今、早稲田大学ラグビー部員としてスタートしたばかりですが、同時にこのチームでプレーできるのは
あと4年しかないという覚悟を持ち、一日一日を大切に自己研鑽に励み、日本一のタイトル奪還に貢献できるよう
日々努力し続けます。”

「あと4年しかない」と言った真意を小西泰聖選手に尋ねると

「終わってから『あっという間だった』と言うのは簡単です。ただただ、あっという間…と言う質が何もないという
のではもったいない4年間なので、いかに密度高く過ごすかというのが自分の中で大事になってきます。」

振り返ると桐蔭学園時代も同じように思っていたと笑います。

「僕は覚えていないのですけど、親に聞くと高校に入る前にも『3年しかない』と言っていたらしくて…。先を見ず、
目の前の事を全力でやるというタイプなのですが、そういう考えがあるからかもしれません。」

4年生の終わりに荒ぶるを歌う日まで、一日一日を全力で…33名の新入部員の長いようで短い挑戦の日々が始まりました。
【鳥越裕貴】



集合写真に収まる新入部員。「僕がいま実感しているのですけど、同期は4年間かけがえのない仲間。その仲間と一緒に
日本一のためにどうするのか、一番長い期間居る仲間なので、大事にしていってほしいと思います。」(宇野明彦主務)

inserted by FC2 system