中心

26日、長野で行われた春の早慶戦。前後半3トライずつをあげて36-12で快勝、SO岸岡智樹選手が試合を振り返ります。

「場所、時期は関係なく、慶應相手には負けられないです。近年、1点差だったり、劇的な逆転勝利というのが対抗戦や
選手権であったのですが、今日に関してはしっかりスコアを開けて勝ちきれた事が一番の財産と思います。」

後半には自らの仕掛けから2トライを演出するなどアタックを牽引、映像で相手の分析をしっかりした上で狙いどころを
定めていたと振り返ります。

「事前情報というのはSOとして大事で、(映像で)自分の頭の整理は常にするようにしています。相手がバックスリーで
ディフェンスを懸けているようなところがあったので、その前のところ(フロントスリーで)、僕や中野、長田がトライした
シーンだとか、まだ整備できていないところを今日は突けたのではないかと思います。」

自らも2トライを記録したこの試合で岸岡選手が自画自賛、「素晴らしいワンシーン」と話すのが前半12分のトライ。
NO.8丸尾崇真選手のタックルからターンオーバーに成功すると、CTB中野将伍選手がディフェンス裏にゴロパント、
SO岸岡智樹が相手との競り合いを制してインゴールへと駆け抜けます。アンストラクチャーな局面から12番のゴロパントに
10番が反応するという選手の状況判断で奪ったトライに胸を張ります。

「右サイドの桑山や河瀬くんからの『後ろのスペースが空いている』というコールに対して、(中野)将伍がスペースを
見て蹴った。日頃の練習しているスキルをしっかり使って、BKとしてやってきたこと、スペースにボールを運ぶ事が
できました。中野が蹴るところ、初めてみたのですけど(笑)。」

2戦連続でSH齋藤直人主将が欠場する中での自身の役割も再定義、コンビを組む2年生SH河村謙尚選手への気配りも細やかに
行います。

「(齋藤)直人とは阿吽の呼吸じゃないですけど、『直人!』と一言呼ぶだけで大体通じたりするので、それに比べれば
苦戦する場面も多いです。僕としてはいつもより目を向けるところがラック周辺であったり、SHに要求する部分があるので
役割、仕事としては少し増えたのかなと思いますが、ひいては自分の成長に繋がるのでいい体験だと思っています。
今日に関しては2戦目、河村くんもいいパフォーマンスを出してくれたのでやりやすくなっているかなと感じています。」

経験の浅い若いプレーヤーをサポートする一方でチーム全体を俯瞰する視点も忘れず。

「直人がいても、(自分の)立ち位置は変わらないです。直人、幸重は精神面、マインドで前に出る意識、特に幸重は
FWなので、僕は(全体のプレーの)原因を探るところだとかを意識しています。」

慶應・栗原徹ヘッドコーチが「いいランナーにスペースを与えすぎた」と悔やむ一戦、冷静沈着にゲームをコントロール、
そのランナーを自在に操る背番号10は笑顔を見せます。

「BKがトライを取ってナンボかなと思っています。今のワセダはBKがトライを取ることでチームが勢いづくと思いますし、
自分が最後フォローする場面だったり、今まで無かった部分が少しずつ増えていると思います。」

6トライ中5トライをBKで記録。事前の情報分析から始まり、試合の中での適切な状況判断、ワセダのアタックの中心は
今年も岸岡智樹選手です。【鳥越裕貴】



後半、ディフェンスの間をすり抜けてチャンスメイクするSO岸岡智樹選手。先制トライ後のコンバージョンはドロップ
キックで成功。「15メートル以内であると、自分の中ではドロップゴールの方が自信のある範囲。最初のトライが5点か、
7点かというのは結構変わると思うので、2点を重ねるという意味でゴールキックでドロップゴールを選択しました。」

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