目標

9日、大分で行われた春の早明戦。この試合でルーキーアカクロ一番乗りを果たしたのがSO吉村紘選手。
デビュー戦を振り返ります。

「周りの先輩が助けてくれていましたし、自分のやることにフォーカスして80分間戦えました。ただ、
まだ余裕をもってプレーをできていない部分があります。SOとしてゲームを組み立てる上で他の人より、
ゆとりのあるプレーができないと良いゲームメイクができないと思うので。課題として、ずっと後半の
最初の方、自陣に釘付けだったので、ああいうところでエリアマネジメントをしっかりできたりすることが
重要になってくると思います。」

自身は課題を口にするもののスクラムで圧倒されるなどFWが押され気味の試合展開の中でも落ち着いた
ゲームコントロールを指揮官は評価します。

「落ち着いて本当によくやってくれましたし、自分なりに考えて苦しい時間帯、エリア取ろうとか意図した
プレーをやってくれたので思いのほか良かったですね。あそこまでやってくれると計算が出来ますね。」
(相良南海夫監督)

自陣に釘付けになった場面、前半20分には体を捻じ込んでのジャッカル(相手のノットリリースを誘発)、
前半25分には相手がこぼしたボールに飛び込んでのセービングとタテ続けにディフェンスで体を張るなど
守りでもチームに貢献します。

「高校(東福岡)の時からそういう文化の高校に居たので、10番でも体を張れるところは強みとして生かして
いけたらと思います。」

幼少の頃から憧れていた早明戦、更には自身が北九州市出身という事もあり、地元の九州で行われるこの春の
伝統の一戦は吉村選手にとって入学時から目標にしていた舞台、周囲にも公言していたと指揮官が明かします。

「彼は入学した時に『ここ(大分)を目標にしています』…なんて話をしていたので、試合前に『一つクリア
したね』という話はしました。」(相良南海夫監督)

小学生の頃から「目標を決めて計画的に」(SO吉村紘選手)という考え方が自然と身についていたという
吉村選手、短期的な目標として掲げていた大分での試合を終えて、次なる短期的な目標をすぐにイメージします。

「高校ジャパンに落ちてしまったので、ユース代表とかにも呼ばれたいというのはあるのですけど、まずは
(ワセダの一本目の)メンバーに入ることですね。(離脱中の)全員が返ってきた後でもメンバーに入れるように
23人の中に入れるようになりたいです。」

寮では絶対的司令塔4年生岸岡智樹選手と同部屋、その後継者としての期待が集まる部屋割りの中で毎日が勉強、
その存在の大きさを話します。

「新人の期間で練習している時にも、すぐ聞ける環境で…先生というかすごい真摯に教えてくれる先輩です。
判断も早いですし、パス、キック全てにおいてトータルでスキルレベルがすごい高いので、まずは追いつくこと
だけを考えています。」

初めてアカクロ10番として戦った相手が昨年度のチャンピオンチームであるライバル・メイジ、課題も肌で
感じ取ります。

「もっとキャリーを増やしていかないといけないと思います。ああいう大きなFWに目の前に立たれて圧力を感じて
いたところがあるので、パスも必要ですけどちょっと自分で仕掛ける部分も増やしていけたらと思います。
そのためにも大学レベルでも通用するフィジカルが必要です。」

ベンチプレスも高校時代に比べて10キロ増、肉体改造も計画的に進める頭脳派SO、ワセダの次代を担う存在が
地元九州で確かな一歩を踏み出しました。【鳥越裕貴】



前半、ディフェンスの間に割って入るSO吉村紘選手。目標とする選手はプロサッカー選手の本田圭佑選手。
「努力するところだったり、考え方がかっこいいなと思っています。」

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