転向

16日、春シーズン最終戦となった帝京大戦。今春、Aチーム全8試合すべてに先発、背番号1をつけて出場し続けたのが
PR久保優選手。春シーズンを振り返ります。

「目標として、春シーズンを通してスクラムを安定させたいという思いがあったのですけど、それでも上手くいく本数が
少なかったです。自分のスクラムを組む感じがうまくいっていなく、チームにもそれが波及するというのもあったので
反省が多くあります。」

東海、明治、帝京と春敗れた3試合では、いずれもスクラムで大苦戦。昨年度の主力選手が殆ど残ったバックローやBK陣に
比べて、フロントローはPR鶴川達彦選手、HO宮里侑樹選手、峨家直也選手ら4年生が出場する事が多かったポジションで
あり、言い換えると下級生にとって実戦経験を得ることが難しかったポジション。久保優選手にとってもこの春は一戦一戦が
勉強の場となります。

「試合で強い相手と組む経験ができたのは自分にとって良いことですし、反省点も多く見えたので、自分がこの後、
どう修正するかが大事だなと思います。」

ルーキーイヤーは3番で対抗戦、大学選手権とレギュラーで出場するも2年生シーズンはケガでシーズンを棒に振ります。
その間に1学年下のPR小林賢太選手が成長、3番のポジションをガッチリとキープ。3年目を迎えた今季、一つの決断を
下します。

「去年ケガの影響で冬出る事ができなくて考える時間もありました。去年の4年生の1番の先輩も減ってしまったことも
あって、正直どうしても試合に出たいという思いもありましたし、試合に出るためにどうしたら良いのかを考えた時に
1番に挑戦したいと思いました。」

福岡・筑紫高校時代も殆ど3番で過ごし、愛着あるポジションから離れる葛藤もあったものの最後は自らの意志で1番への
転向を首脳陣に直訴します。春先、NTTコムの上田竜太郎選手らフロントローのOBが上井草を訪れるたびにその教えを
ノートに書き留めます。

「1番になりたてなので新しい事ばかりで、色んなトップリーグの方とかに来て頂いて、どうしたらよいのかだとか
教えを受けて自分が組みやすく出来るように。初めてで全部が印象的です。」

また昨年度、寮で同部屋だった昨年度のフロントロー鶴川達彦選手、鷲野孝成選手とは今でもグループLINEで
コミュニケーションを継続。時に『押されすぎじゃないか』とイジられながらも、アドバイスをくれる先輩の存在に
感謝の言葉を口にします。

「外から見て、ここはこうした方が良いとか教えてくれます。卒業しても自分の事を見てくれている人が居るので、
その人たちの為にも何とかしたいと思います。」

春シーズンを通して自身のスクラムでの課題を足の運びと姿勢の高さと認識、この先の夏の練習期間で成長したいと
言葉に力を込めます。

「ヒットまでは良いのですけど、ヒット後のチェイス、足の運びがうまくなくて…。足の運びがうまくいかない分、
自分側が落ちてペナルティを取られることがありました。あとチェイスが出来ない分、伸びきっちゃうので低く
なれないところがあったので、ワセダのスクラムを安定させるためにチェイスのところと低くなるところが重要に
なってくると思います。ただ、自分ひとりじゃ組めないのでFW8人で話し合う時間とか増やして、8人のまとまりを
大事にして練習していきたいです。」

今年度のキーマンの一人、1番での起用を続けた相良南海夫監督も前を向く久保優選手の姿に期待を寄せます。

「スクラムはまだまだ。ただ、彼も心は折れていないですし、強くなりたい!とやってくれているので、高みを
目指して頑張って欲しいですね。」

新しいポジションでスクラムの安定を求めて奮闘する久保優選手の姿に注目です。【鳥越裕貴】



後半、スクラムを組むPR久保優選手。昨年度を棒に振っただけに今季に懸ける思いは強く。「第一にスクラムですが、
ラインアウトモールでも力を出したいです。あとはチームとしてディフェンス、タックルで体を張ることが大事だと
思うので、セットプレーもフィールドプレーも自分が体を張るところを意識したいです。」

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