決意

6月30日、秩父宮で行われた第7回関東大学オールスターゲーム2019。SO岸岡智樹選手、CTB中野将伍選手とともにワセダの
代表として出場したのが3年生LO星谷俊輔選手。試合前々日の緊急招集に

「びっくりしました。でも、選ばれたからには頑張らなければいけないなという思いでした。」

自身が春シーズンの課題と振り返るディフェンスをこの日の自身のテーマとして後半途中からピッチイン、短い出場時間ながらも
リーグ戦選抜チームの外国人プレーヤーを食い止めるなど見せ場を作ります。

「ゴール前で相手外国人の選手が来た時に、まだまだですけど、止める事ができました。タックルの回数とか質にはワセダに
帰っても、もっともっと拘っていきたいと思います。」

また各大学の一流選手が集う場に、試合以外の部分でも収穫があったと振り返ります。

「昨日の試合前の練習でもそうですけど、すごくラグビーでも細かい部分…ブレイクダウンに入る姿勢の低さとかそういう
ところを(大学トップ選手は)意識していましたし、急造チームですぐに打ち解けられるようなコミュニケーションの声の質とか
量がすごく参考になったかなと思います。また、片倉とかラインアウトでメイジを引っ張っている存在ですし、飛ぶスキルとか
見ていて勉強になる…参考になる部分はありました。」

3年目の春シーズンはAチームで全試合に出場し、経験値を積み上げたものの星谷俊輔選手は首をヨコに振ります。

「同じポジションでケガ人の状況とか、そういうケガとか多かった都合で一応出しては頂いたのですけど、全然ダメで…。
リザーブで出たり、不安定な状態ですし、カタチ上は出ていたというだけで、内容は全然…自分的にも納得いっていない試合
ばかりです。上のレベルだとディフェンスの課題がどんどん明確化してくるということが自分でも分かったので、そこは
ある意味で、いい経験をさせてもらった分、次に繋げられるようにやっていければと思います。」

一方で持ち味と語るアタックでは5月の大東文化大戦でスペースを突いたランからオフロードパスでトライを演出するなど
光る場面も。三浦駿平選手、中山匠選手、下川甲嗣選手らライバルひしめくLOのポジション争いでのアピールポイントとして
言葉に力を込めます。

「スペースに走り込むことは自分的にも好きなプレーでもあるので、ああいうシーンをもっと増やしていけたらと。ボールを
持った時のアタックは得意としている部分ではあるので、そこは強みにして勝負していきたいと思います。またスペースが
ない状況でも自分の力強さ、激しさで前進できるように…あいつはボールを持ったらゲインしてくれる…と信頼してもらえる
人になりたいと思います。」

幼少の頃、ワセダクラブでラグビーを始めて以来、身近に感じていたワセダの大学生に自然と憧れを抱き、国学院久我山から
スポーツ推薦で入部。190cm超のサイズもあって下級生時代から期待を集めたものの、ルーキーイヤーは同じスポーツ推薦で
入学したPR久保優選手、NO.8下川甲嗣選手、WTB/FB古賀由教選手がアカクロを着て秩父宮を躍動する姿をスタンドから
見つめる日々。

「僕以外の推薦で入ったヤツらがみんな出ていて、勿論周囲からも何をやっているんだ…と言われていて、内心は苦しい…
キツイというのはありました。ただ、自分の実力不足だったので悔しいという思いはありましたけど、それをバネにしてやって
いくしかないなと思っていました。」

苦しい下級生時代も現実から目を背けず、普段の練習からコツコツと力をつけて3年目。アカクロジャージを狙える位置まで
浮上してきた春シーズンを終えて、決意を新たにします。

「今年でもう自分の地位が安定するかどうか決まります。Aチームで出れなかったら来年はないぐらいの気持ちでやらないと…。
来年があるからとかそんな気持ちでやっていたら絶対出れないと思いますし、今年に懸けるという思いです。」

秋シーズンは変則日程となり「アピールする期間自体も短い」と話す星谷俊輔選手、Aチーム入りを懸けて勝負の夏合宿が
始まります。【鳥越裕貴】



後半、突破を図るLO星谷俊輔選手。尊敬している選手は東芝ブレイブルーパスで今なお現役で活躍する大野均選手。
「あんなに動けて、しかもずっと味方から信頼されている人で、すごいハードワークもするし、僕にとって足りないものを
多く持っている人なので、尊敬もしていますし、参考にもしています。」

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