自信

15日、昨年度大学選手権準優勝校・天理大との夏合宿初戦。序盤からスクラムを一方的に押し込まれ、攻撃権を得ても自陣に
戻される繰り返し。前半のスクラムをセットプレーのキーマンHO森島大智選手が振り返ります。

「ヒットはそこまで負けていなかったのですけど、その後の第二波というか、『レディ・ゴー!』の声で相手が全員で押して
きたところに対応できなくて…。第二波が強い相手はそんなに今までなかったので…。」

組み合った後の強烈な押し込みに堪らずコラプシングを連発、悪い流れでこのまま無得点で終わるかと思われた前半終了間際、
ビッグプレーが生まれます。敵陣ゴール前で迎えたマイボールスクラム、森島選手が対応します。

「一番(横山太一)の方が出れていなかったのでそこを助けるようにしました。その分三番の負担は大きくなっちゃったの
ですけど、(小林)賢太も出てくれたので押せた要因かなと思います。」

組み方を修正してこの試合初めて相手をスクラムで押し込むと相手が堪らずペナルティ、この場面でワセダは強気に再び
スクラムを選択するとこのスクラムも押し切ってペナルティトライを奪取、チームに歓喜の輪が生まれます。このトライで
同点に追いつくとハーフタイムの雰囲気も一変。

「絶対いける!と。スクラムをどんどん押して、FWから行こうと話していました。」

後半に入るとPR久保優選手の投入で更にスクラムが活性化。後半18分、22分、33分と優位に立ったスクラムを起点に
アタックを仕掛けてトライを次々と奪います。中でも33分のNO.8丸尾崇真選手の独走トライはスクラムでアドバンテージを
得て、余裕を持ってチャレンジできる状況から生まれたプレー、スクラムの優位性はこの試合の大きな勝因となります。

「最後の方は全員がまとまって押そうという意識が結構あったので、そこが押せた要因かなと思います。後半は久保が
(前に)出てくれたので、自分も真っ直ぐ押せて、ペナルティも貰えたと思います。後半押せたことは自分たちの自信に
なります。」

春シーズンはスクラムで相手に圧倒されるシーンが多く、夏合宿前はスクラムを重点強化。コーチ陣やメンバー間の
コミュニケーション量も増やして取り組んできた事がいきなり夏合宿初戦で成果となって表れます。

「夏合宿前はスクラムの時間も増やしましたし、姿勢だったり、突っ込みだったり、3対3だったり…自分たちがフォーカス
した個人メニューは毎日絶対やっていました。ヒットの部分、ヒットの後のチェイスの部分は自信が持てたと思います。」

昨年度圧倒的なスクラムの強さを発揮した天理大を相手に掴んだ手応え、それでもHO森島大智選手は表情を引き締めます。

「最初のファーストスクラムから押そう…と全員で話し合っていたので、そこを出来なかったことに悔いが残ります。課題も
多かったのでそこを来週に向けて改善できたらと思います。(来週の)帝京は本当にFWが強いと思うのですけど、こっちの
FWが圧倒して絶対に勝ちたいと思います。」

ラインアウトスローはこの日「今季初めてノットストレートしてしまった」(森島選手)と反省するものの春から高い精度で
安定。この夏、スクラムを安定させてレギュラー定着を目指します。【鳥越裕貴】



後半28分、ラインアウトモールを押し込んでトライ、最後にグラウンディングし、雄叫びをあげるHO森島大智選手。
前半は押せなかったモールもスクラム同様、後半に修正。「自分たちがまとまれていたというのもありますし、横に流れた時に
前の人がそのまま前に出てくれたので、僕は置くだけでした。」

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