牽引

21日、対抗戦王者・帝京大戦。序盤からリードを奪って31-21、夏の大一番を制し、司令塔・SO岸岡智樹選手が振り返ります。

「率直に自分たちのやってきたことが通用したというかところどころ出た中で、それがしっかり勝つという結果までついてきました。
以前であれば数回のプレーで結果として出る事はあったのですけど、しっかり勝利という結果までついてきて、やってきた成果が
目に見えて感じられたので、チームとしてやってきた方向性は間違って無かったと思います。」

2ヶ月前に帝京大に大敗して終了した春シーズンからの成長、この夏の天理大、帝京大との2連戦で見せたチームの変化を話します。

「一番はスクラムですかね。それに加えて2戦ともにモールでトライを取ったり、FWだけではないですけど、セットプレーの
安定から得点に繋がったところが一番春とは変わったところかなと思います。」

更に続けます。

「大学ラグビーはスクラム、セットプレーが必ずついてきて避けては通れないところです。この夏はラインアウトからのモール、
スクラムからトライを取ることも出来ました。春は『そこが弱みだね』と言われてきたのですけど、逆に弱みが直ったというよりは
ここから強みに出来るのではないかなと僕は思っています。」

FW陣の成長を称えながらも、自身も前半6分、前半21分と序盤に2トライをあげてチームを勢いづけます。6分には相手の
ブレイクダウンのプレッシャーに押し込まれて、ラックからこぼれたボールを拾うと一人で切り返し、最後は練習中というステップで
相手FBを振り切って先制トライを記録。更に21分には敵陣ゴール前でスペースを冷静に突いてトライ、ここでもFWの頑張りを
称えます。

「もともとあのエリアではFWが頑張ってファイトする中で、空いたスペースでBKがトライを取りきろうということでやっています。
天理戦であれば長田がトライしたようなシーンで、たまたま僕が今回はトライをした。チームとしてやりたいことができました。」

FWで優勢に立って21-0とリードを広げるとその後は冷静にキックを使いゲームをコントロール、緩急自在の試合運びで勝利を
呼び込みます。

「ポンポンポンと3つほど取れたので、その次の点数がどちらに動くかが試合の肝かなと思っていました。最初はキックオフから
攻めたのですけど、3つ取れた後の展開として、しっかりエリアを取って中盤で…と思ってそこは前半の後半20分くらいは意識して
組み立てました。あそこから点数が動かなくてもよい、何なら3点くらい取れればいいかなと思っていました。」

この日SH斎藤直人選手が後半から復帰したものの、BK陣はCTB中野将伍選手、WTB古賀由教選手、FB河瀬諒介選手と主力選手が
欠場した中での帝京戦勝利、春から底上げが進むBK陣に「昨年度に比べたら今は良いレギュラー争いができている」と話します。
着実に力をつけてきたFW陣、層に厚みを増してきたBK陣。それでもSO岸岡智樹選手は課題はまだまだあると表情を引き締めます。

「例えば、クイックのペナルティの後とか、プレーが途切れたかなと思ったところ。帝京の選手よりワセダの選手が少し気を抜いて
しまったりしていたのでそういう最後まであきらめない、切らないところがいま少しワセダに足りないところかなと思います。」

対抗戦開幕まであと10日、常に冷静にチームを見つめるSO岸岡智樹選手が今年もチームを牽引します。【鳥越裕貴】



前半21分、自ら仕掛けてチーム3つ目のトライをあげるSO岸岡智樹選手。「FWが着々とつけてきた力を前面に押し出す選択を僕が
できればいいなと思っていて、そこは出来たかなと思います。」

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