復帰

30日、Bチーム以下の夏合宿最終戦、環太平洋大との練習試合。この試合でケガから復帰を果たしたのがWTB古賀由教選手。
今春セブンズの代表合宿中に負傷してから4ヶ月ぶりの復帰、ワセダでの実戦は正月2日の大学選手権準決勝・明治大戦以来と
あって部員席から大きな声援が送られます。

「この4ヶ月間は僕が声を出す側。みんなが出してくれる声は嬉しかったですね。」

と笑顔を見せます。前半40分間の出場、カウンターから切れ味鋭いランでビッグゲイン、部員席を沸かせると前半23分には
SH小西泰聖選手からのラストパスを受けて一気の加速、独走トライを記録して見せ場を作ります。

「(動きは)まだまだだったのですけど復帰できたこと。ここまで結構長く、リハビリを色々な人に付き合ってもらったので
今日は感謝の気持ちをもって試合に臨もうと思っていました。個人としては声でディフェンスラインを上げていくこととアタック
ではボールを持ったら少しでもゲインしようと思っていたので、そこに関しては良かったんじゃないかなと思っています。」

中学生時に腰のケガがあったものの、トップレベルでの試合に出るようになってからは初めてという長期離脱。この夏に
特別な思いを持っていた古賀由教選手の心は大きく揺れます。

「今年の個人の目標として、ユニバーシアード(7月、イタリア)で金メダルを取る事にありました。来年のオリンピックに
向けて出られる出られないよりも、上の人たちに食らいつくためのステップアップとして必要(なステップ)だと思って
いたので…。」

早期復帰を目指せば大会に間に合う可能性もあり、代表チーム側からも「ぶっつけ本番でも連れて行って下さると言って
下さって…」。それでも相良南海夫監督と話を重ねて出した結論は治療への専念でした。

「ユニバーシアードにどうしても出たくて、けど出られないことが分かって色んな感情がありました。(相良)監督は僕の
将来の為にもケガをしっかり直した方が良いと…ワセダにも必要だと言って下さったし、自分はワセダの人間、他の可能性は
しっかり絶って、日本一だけを見てリハビリしようと思いました。」

リハビリをしながらも「少しでもお土産をつけて復帰を…」(古賀由教選手)と下半身のウエイトとフィットネスをじっくりと
強化、成長できたと振り返ります。久しぶりの実戦にもバックスリーのディフェンスラインに対して指示の声を送って仲間たちを
リード、持ち味を発揮できたと笑顔を見せます。

「今日は復帰戦と4ヶ月前に決めていた試合。順調にケガも治りました。僕の目標は、大きく見ることではなく、ひとつひとつ
目の前の目標をクリアしていくこと、いい調子で来ていると思っています。」

夢見た世界の舞台は幻に終わったものの「今年はワセダの為に戦おうと決めた」と翌日の対抗戦開幕戦ではウォーターボーイを
務めるなどAチームメンバーとのコミュニケーションも欠かさず。決定力抜群のフィニッシャーが、アカクロでの復活まで
秒読み段階に入りました。【鳥越裕貴】



自陣からビッグゲインを見せるWTB古賀由教選手。前半23分にはトライも記録、ゴールライン手前からのダイブに
「(午前中練習していた)Aチームの人たちが(雨で)5メートルくらい前から飛び込んだらトライを取れるよ…と言っていた
ので(苦笑)。復帰してトライを取れたので少し安心しました。」

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