進化

15日、対抗戦序盤戦のヤマ場・筑波大戦。後半に2トライ1アシストの活躍を見せてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのが
FB河瀬諒介選手。

「前半、自分でチャンスを潰してしまうプレーが2つほどあったので…。トータルで見るとあまり良くなかったなと思います。
前半、後半で分けてみると後半の方が良かったかなと思いますけど、あまり満足していない感じです。一番得点を取って流れに
乗りたい時間(前半)でチャンスを潰してしまったというところが大きいですね…。」

と自己採点で60〜70点と首を捻ります。それでもSH斎藤直人主将が「後半のキツイ時間帯でトライを取ってくれてチームと
しても流れに乗れた」と感謝すれば、同学年のPR小林賢太選手はそのプレーについて、

「今日の河瀬のプレーはマン・オブ・ザ・マッチだろうなと。試合が終わっても『今日、絶対お前がマン・オブ・ザ・マッチやん』
と言ってました(笑)。昨年よりもボールタッチも増えて、ラインブレイクする数も増えて、後ろにいてくれて信頼できる選手
ですね。」

と笑顔で話します。アタックラインに並びながらも冷静に相手のディフェンスをチェック、トイメンは勿論、その内側の選手の
特徴もしっかりとインプット、再三のラインブレイクでチャンスメイク、更には後半2分、後半25分にはトライを取り切ります。

「ボールをもらう前にトイメンと1つ内側の選手を見ていて、1つ内側の選手がFWの選手が多かったです。行ったら振り切れるなと
思っていたので、そこを突いて行った感じです。ステップを踏んで抜けた時は気持ちよかったですね。バックスリーという
ポジションとしてトライを2本取れたのは満足しています。」

後半2分には相手選手にタックルを受けながらも体の強さを見せて、相手を振り切ってインゴールへ。

「去年一年間通して、フィジカルで負けることが多くて、今年はそれをずっと課題に一年間やってきたので徐々に成果で出てきて
いると感じてます。まだまだ全然前に出られなかったりするので、継続してやっていきたいです。」

スピード、パワーともに力を発揮したアタックだけでなく、FBとしてのキック処理についても責任感十分。試合前には一人で
対戦チームのビデオを見て、相手のキッカーの立ち位置、利き足、飛距離を確認。当日の風の状況を加味して、自身の立ち位置を
細やかにコントロールします。

「キック処理は上達してきたかなと思います。今日は風が強かったので、前半は立ち位置が難しかったですし、後半になって
風上になって、どれだけ飛ぶのか考えながらやってました。」

プレー面での成長だけでなく2年生となり、落ち着いてプレーが出来ていると話す河瀬選手。中心選手としての自覚を言葉に
にじませます。

「去年は一試合一試合緊張していましたし、先輩に動かされていた部分があったのですけど、今年は気持ちの余裕を持って
自分から声を出して先輩を動かしたりができるようになってきました。一年生も何人か出ていたりするので、その一年生を
引っ張っていけるようにと思っています。」

ワールドカップ開催もあり、この試合で対抗戦が一時中断。再開後に控える強豪校との対戦に向けて更なる成長を誓います。

「内側の選手がプレーしやすいように外からのコールをもうちょっと出せたら。アタックでもボールをほしいのか、ほしく
ないのか…ディフェンスだったらどういうディフェンスの処理をしたら良いのか…をもっと出せたらと思います。また
フィジカルの面を第一に伸ばして、フィットネスの部分もちょっと体力がない部分があるので、80分間常に100%で走れる
くらいのフィットネスをつけたいと思います。」

昨年度の大学選手権準決勝でメイジに敗れた直後に課題と話したコミュニケーションの質量とフィジカル面。今もその思いを
胸に戦い続ける河瀬選手、最も意識する相手と話すメイジにリベンジを果たす日まで、その成長が止まることはありません。
【鳥越裕貴】



後半2分、ディフェンスに捕まりながらも体の強さを見せてトライをあげるFB河瀬諒介選手。目標とする選手は日本代表・
松島幸太朗選手。「ハイボールの強さというのと、柔らかいプレーや細かい動きというのもできたりするので…。僕は
それが全然できないので、目標にしています。」

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