計画

5日、ジュニア選手権・慶應義塾大戦。カテゴリー1で6年ぶりの勝利となった一戦を司令塔として牽引したのが1年生SO吉村紘選手。
序盤から6連続トライでリード、その後4連続トライを返されて、最後は3連続トライで突き放すという目まぐるしく流れが変わった
試合を、それぞれの時間帯に分けて振り返ります。

「最初のトライはユニットで何本も練習していたので、共通のイメージを持ってトライに繋がったと思います。キックを上手く
使えて敵陣でいい形で僕達のペースでアタックできていたので、そこは練習していた、計画していた通りに進んでいたと思います。」

前半6分、スクラムからのセットアタックで奪ったトライを皮切りに慶應を圧倒し続けて、計画通りと振り返った序盤から流れが
一変したのは前半34分、イージーミスから相手に大きくゲインされて奪われたトライからでした。

「スコアが離れてから気が緩んだのか分からないのですけど、ちょっと拙いディフェンスになっていました。個人個人の問題で
言うと細かいコミュニケーションのミスでビッグゲインを取られ、チームの問題で言うとその後の戻りの遅さ…相手のアタックの
セットよりディフェンスのセットの方が大きく遅れていました。」

4連続トライを取られ、42点のリードがあっという間に16点まで詰め寄られながらも、自陣インゴールでのハドルは冷静に。
FL柴田徹ゲームキャプテンを中心に相手の突破口となり、傷口を広げていた大外のディフェンスを修正、試合は再び落ち着きを
取り戻します。

「最初の1本を除いて、その後の3トライはキックオフからビッグゲインを取られてのトライだったので、そこだけ修正して。
あとはいつも通りフェーズでディフェンスできたら大丈夫だろう、そうしたら慶應さんも蹴ってくるだろうと思っていました。
後半2本取られた後に対応できて慶應さんもボールを蹴ってきて、そこから僕達のアタックが始まってという流れだったので、
ディフェンスを修正できたところがキーポイントでした。」

後半は交替出場のフロントローがセットプレーで優位に立つなど、FWがチームに勢いを与えます。吉村選手もBKでボールを
大きく動かしての前半の組み立てから一転、FWを前面に打ち出したゲームメイクへ。

「あの時間帯はこっちも時間を使いたい時間帯だったので、FWの皆さんがスクラムを頑張ってくれて上手く時間も削れました。
そこでペナルティをもらって、そのままモールでトライと最高の形だったので、良かったです。」

終わってみれば63-26の大勝、「アタックに関しては全然良かった」と振り返る一方で、26失点には「満足していない」と
厳しい表情を見せます。クールダウンを終えてグラウンドに戻ると、続いて行われたCチームの試合を後藤翔太コーチと並んで
観戦、Cチームのアタックシーン毎に後藤コーチが攻める方向や選択肢について身振り手振りで解説、時に後藤コーチから
問いかけを受けて、意見を交わしながら司令塔としての戦術眼に磨きをかけます。

「翔太さんのアドバイスはすごい分かりやすいです。後半のラインブレイクもアドバイスの通りにしていたら、いい
タイミングでパスを貰えて走るコースも改善でき、上手くいきました。色々教えてもらって、自分のものにできたらと
思います。」

高校時代の評定は4.9…「大学の選択肢を増やす為に評定で行けないというのが無いように」と全ての教科を平均的に取って
いたと計画的に物事を進めるタイプ。寮では不動の10番・岸岡智樹選手と同部屋、グラウンド内でもグラウンド外でも全てを
自らの成長に変えて、アカクロの司令塔の座を目指します。【鳥越裕貴】



前半、ミスマッチを突いて抜け出すSO吉村紘選手。11月の対抗戦再開後のメンバー入りを目指して、ジュニア選手権が
続く10月戦線に「一試合一試合を大切にベストパフォーマンスを出せる状況で挑みたいですし、悔いの残らない10月を
過ごしていきたいと思います。」

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