1日、対抗戦全勝対決・早明戦。多くの記者に囲まれた中で司令塔・SO岸岡智樹選手が試合を振り返ります。
「率直に敗因としては精度が低い。何が負けたというより全ての場面において、メイジの方が精度高くプレーを
していたのが最終的な大差かなと思います」（SO岸岡智樹選手）
序盤は「コーナーに蹴り分けてうまくエリアを取っていこう」（SH齋藤直人主将）との言葉通り、ワセダが
キックを有効的に使って敵陣へ、試合を優位に進めます。連続攻撃を仕掛けるもののメイジの分厚い防御、ここぞの
場面でラインアウトスチールに阻まれて得点ならず。
「振り返ると得点するまでのデザインがまだ出来てなかったと思います。キックをしたいHB団とボールが欲しいBK陣、
そこの意志、意図が若干ずれていたかなと思います。」（SO岸岡智樹選手）
前半13分、SO岸岡智樹選手のキックが相手のお見合いによって結果的にデッドボールラインを割るアンラッキーな
プレーからこの試合初めてメイジを自陣に入れてしまうとそこから先制トライを献上。
「相手もデッドボールを割ってしまうようなシーンがあったのですけど。僕らがしてしまった時はトライに結び
付けられて、逆に相手の時にはトライに結び付けられなかった。」（SO岸岡智樹選手）
直後にSO岸岡智樹選手のトライで追いつくも、メイジのアタックに少しずつ後退、自陣に釘付けの時間帯が続きます。
前半こそ我慢の連続、耐え凌ぐものの試合が大きく動いたのは後半立ち上がり。2分、8分とタテ続けにトライを
奪われます。
「明治大学の選手はアウトキャリーしてくるというのは戦前の分析からあったので、外側から立ってそれを阻止しようと
話をしていたのですけど、少しずつのゲインでセットするスピードが遅れて、どんどん自分たちがやろうとした外側に
セットするという事ができなくなって、それの連鎖で外にスペースが生まれて失点なり、規律を保てずにペナルティを
してゴール前に来られて失点してしまった…。」（SH齋藤直人主将）
加えて試合を苦しくしたのがラインアウト。相手の高さと鋭い読みに再三、ボールを奪われます。
「我々もある程度自信を持っていたのですけど、明治に高いプレーヤーがいて、ツボにはまってしまったというか…。
スクラムよりもむしろラインアウトの方がこれから修正していったり、色々考えていく必要がありますし、相手にも、
もうちょっとプレッシャーをかけたかった…。」（相良南海夫監督）
起点でボールを失い、相手の重厚のアタックを受け続けて最終スコア7-36の完敗。指揮官は記者会見で前を向きます。
「今日の結果を受けてポジティブに捉えれば、自分たちの今の立ち位置がすごくよく分かったということだと思います。
きょうマンオブザマッチを取った箸本くんとか武井くんとか、あそこで少しで裏に出られているというか、ゲインを
取られている面があるので、1対1のタックルだとか、セットのところはある程度戦える手応えはつかんでいるものの、
これでは、まだまだ明治には勝てない。一番感じたのは、僕らよりも選手。どこに差があったのかを感じていると思う
ので、選手とミーティングをして『勝ちたいのだったらそこを埋めていくしかないね』という話をして、12月21日
（大学選手権初戦）を迎えたいと思っています。」（相良南海夫監督）
リーダー陣も現時点での差を認めつつ、気持ちを切り換えます。
「ここまでポジティブになっていいのか分からないですけど接戦じゃなくてここで完敗して、逆に吹っ切れる。
課題はこれというプレーよりもすべてのプレーの精度、細かい部分の精度がすべて明治大学の方が上だったので、
日々の練習から積み上げていくだけ。選手権初戦まで3週間、決勝まで6週間しかないですけど、一日一日を大事にして
練習での強度とか精度は明治大学を標準にして取り組んでいきたいと思います。」（SH齋藤直人主将）
「セットプレーのところや相手FWのフィジカルの強さに対して足りないところがあったと思います。ディフェンスの
ところ、ワセダはディフェンスから作ってきたチームなのでもう一回厳しくやっていきたいと思います。今から
新しい事はできないので、今日感じたメイジとの間の足りないところを一日一日の練習で言い続けてリベンジできる
ようにしたいと思います。」（FL幸重天副将）
昨年度はメイジを相手に対抗戦で勝利、1ヶ月後の大学選手権準決勝での再戦で敗戦。岸岡選手はこの時の事を
振り返ります。
「昨年度は対抗戦で僕らが勝つ事ができて、それを糧にと言いますかメイジさんがかなり見違えるチームになったと
いうのを大学選手権で当たった時に感じました。一つ一つのプレーの精度をメイジさんにあわせて練習するだけですし、
まずは目の前の相手…日大さんと京産の勝者ですかね、それに向けてまずは準備して、一つ一つステップをあがる
ことで、しっかり強くなってメイジさんと次やった時は借りは返せるようにしたいと思います。」
メイジとはトーナメントの逆のヤマ、再戦の舞台は1月11日新国立。静かにリベンジを誓います。【鳥越裕貴】
前半24分、この試合唯一のトライをあげるSO岸岡智樹選手。怪我で離脱中の中野将伍選手、相良昌彦選手も
「次の試合にはケガの状態としては間に合うと思うので、レギュラーが決まっている訳ではないのですが、
（レギュラー争いの）土俵には乗ってくると思います」（相良南海夫監督）。