勇気

26日、ジュニアチーム(Cチーム以下)同士の練習試合・早明戦。「チームのカテゴリーに関係なく早明戦は負けちゃいけない試合」
(FL増原龍之介選手)という30分×3本で行われた変則マッチには4年生が11人出場、チームを牽引します。

「試合前の4年生の表情とか見ても気持ちが伝わってきましたし、この試合に懸けている感じが伝わってきました。(試合の)入り
からいつもと違うなと。」(齋藤直人主将)

感極まり試合前に涙を見せる4年生の気持ちに引っ張られるようにチーム全員でディフェンスで前へ。仕掛けるディフェンスでメイジの
ミスを再三誘い、10月の練習試合では26-73で大敗した相手に対して2本目の途中まで互角の勝負を繰り広げます。

「いい流れで入れました。しっかり体を張って、ディフェンスでも前に出れる自信はありましたし、勝負できました。」
(CTB宇野明彦ゲームキャプテン)

7-5で迎えた2本目の13分からボールを大きく動かしてスペースを確実に突く相手のアタックに4連続トライで突き放されかけるも、
3本目にスクラムを立て直して3連続トライで猛追して最終スコアは26-31。ロースコアのゲームから一転して試合が大きく動いた
2本目と3本目、課題と収穫がハッキリ表れたそれぞれの時間帯を振り返ります。

「2本目はディフェンスで最後仕掛けきれなかったです。相手にパスを回す余裕を持たせてしまったのがああいう点差に繋がりました。
1対1の部分でと言うよりはキツくなってきた時のコミュニケーションが課題だと思います。3本目は相手も替わった部分もあったのです
けど、自分たちの1対1の勝負を仕掛け続けたのが良かったかなと思います。」(CTB宇野明彦ゲームキャプテン)

「2本目は疲れもあったのかもしれないのですけど、コミュニケーションを取る意識を徹底することができなかったです。内側を
切られてトライを取られる場面が多くて、スナイパーと呼んでいる内側の人間が最後まで内側をフォローしていくことが必要条件なの
ですけど、徹底できていなかったです。3本目は相手も替わっているのですけど、スクラムでは修正できて立ち位置やFW全員で押す
部分を徹底できましたし、ディフェンスも2本目の反省を生かしてしっかり前に出られた…試合の中で修正できて戦えていたのでは
ないかと思います。」(FL増原龍之介選手)

試合は幸重天副将らAチームメンバーがウォーターボーイとしてジュニアチームをサポート、今年に入って続けているチーム一丸と
なって戦う姿勢はジュニアチームメンバーの励みになっているとFL増原選手は続けます。

「一体感、家族みたいな絆を感じています。そういった後押しもあって、やるべきことをやらなきゃいけないと気持ちも入り
ましたし、Aチームのやつらも僕達の試合をみてしっかり応援してくれるので、選手の励みになっています。」(FL増原龍之介選手)

チームの主務でもあるCTB宇野選手も口を揃えます。

「下のチームも注目してくれているのは嬉しいですし、全員が見てくれているのでワセダの代表として負けられない思いがあります。
(戦況は)コーチも伝えてくれるのですけど、現場で同じラグビーをやっている人間が(アドバイスを)言ってくれるのは説得力も
ありますし、上のチームの人間が言ってくれると刺さる、伝わりやすいなと思います。」(CTB宇野明彦ゲームキャプテン)

勝ち切る事を目標にチーム一丸で臨んだこの日の一戦、惜しくも勝利に届かなかった悔しさを抱えながらも、12/1以降
『reborn(リボーン)』という合言葉のもと、再起を図るチームに確かな手応えも。

「(10月の大敗から)これだけ点差を縮められたのは自信にはなりました。勝ちきれなかった事で落ち込んでしまう部分は
あるのですけど、チームがやろうとしていることが通用したのは上のチームにも自信になるはず、そういった部分で勢いづけると
いうかそういった試合にはなったと思います。」(FL増原龍之介選手)

グラウンド上で戦った4年生がそう言えば、外から見守った齋藤直人主将も言葉に力を込めます。

「Aチームが早明戦を終えてから、全ての練習の標準をメイジに合わせてやっていこうと言っていますが、自分たちが対戦
するのは出来て決勝です。その前に下のチームが対戦すると決まってから4年生が松本を中心にワセダとして変わったところを
この早明戦で見せようと意識してやってくれて、結果は負けてしまったのですけど内容はすごい良い試合をしてくれたので
自分たちが今やっていることは間違いじゃないな…と確実に自信をもって言えるようになりましたし、勇気をもらいました。」

謙遜気味に言葉を選んで続けます。

「上から言っている感じがありますけど、プレーも4年生を中心に全員素晴らしかったと思いますし、自分たちも出られない
メンバーの分も頑張ろうと改めて今日強く思いました。」

勝利には届かなかったもののチームとして確かな前進。下のチームの頑張りがAチームメンバーに勇気を与えます。
【鳥越裕貴】



3本目、ペナルティから速攻、一気に敵陣ゴール前まで攻め込むCTB宇野明彦ゲームキャプテン。「自分は今週、シニア
カテゴリーから落とされた立場。すぐに上がることが下のメンバーの励みになると思うので、結果を残すことに執着して
います。1個1個のプレーで自分ができることを…みんながどう感じるかは分からないですけど、(チームの為に)
自分が一番体を張って、しっかりタックルに行くという気持ちの部分を受け取ってもらうことが一番大事だと思います。」

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