修正

2日、大学選手権準決勝・天理大戦。21-7で迎えた後半立ち上がりの自陣でのピンチを切り抜けて11分、リードを広げる価値ある
後半ファーストトライをあげたのがPR久保優選手。

「本当に久々、大学では初トライです。ただ純粋に嬉しいな…という気持ちでしたけど、ビックリした方が大きかったですね。
練習でもあんなに上手く行ったことはないので。」

自身の記憶を辿る限り、高校3年生の練習試合まで遡るというトライは、ゴール前でオプションとしてサボらず、走りこみ続けた
ことで生まれたもの、おどけながら続けます。

「早稲田のシェイプアタックとして、みんなで走り込んで誰かがもらうという形。正直ゴール前だったですし、一番重要な場面、
落とせない場面だったので、(隣に居た下川)甲嗣かなと思ったのですけど(笑)。でも空いているのが見えたのでそこのコースに
走って、岸岡さんからパスが来たら行こうと思っていましたし、準備はしていました。」

その岸岡選手からの鋭いパスをゴール前で受け取り、一気に駆け抜けます。3年生となった今季は不動の左PR、『本職』のスクラム
でも修正力を見せます。試合序盤は相手の押しの第二波、第三波に耐えられずにペナルティ(コラプシング)を取られるなど苦戦。

「相手が1回組んだ後に、まとまって2回、3回と一緒に押してくる感じでした。それを自分たちが受けてしまって、思うように
組めなかったです。」

試合中のショートコミュニケーションの中で、次への改善点を話し合うことにフォーカス、ネガティブになる事はなかったと振り
返ります。

「相手がまとまって押してくる、浮かせてくるスクラムに対して、自分たちが低くキープしようという話をしていました。前半の
最後の方もボールを取り返せて、いい形で終わりましたし、ハーフタイム中に(佐藤)友重コーチに自分たちのやるべきことを
しっかり明確にやるように言われました。最初押しにいこう、自分たちから仕掛けにいこうとしすぎてしまっていたので、そうでは
なくて、自分たちは低い姿勢をキープしたまま、前に出続けることを意識して後半は組めていたと思います。」

チームとしての修正点とともに久保選手自身、思い返したのは夏合宿で天理大と練習試合で対戦した時の良いイメージ。後半から
出場し、相手のお株を奪うスクラムで猛プッシュした時の動画を改めて見返したと話します。

「押せた時というのが自分の一番いい姿勢だったので、それをイメージしながら組みましたし、組んでみて3番の選手とかは
夏と同じような組み方をしてくるなというのは感じていました。」

準備と修正力でスクラムを立て直して、勝利に貢献するも自身は控えめに試合を振り返ります。

「プロップとしての仕事をちょっとは果たせたかなと思います。」

決勝は再びメイジと激突。今季不動の背番号1を任される久保優選手が唯一、スタメンから外れた公式戦が12月の対抗戦・早明戦
(背番号16で後半9分から出場)。チームとしての戦略を勿論、理解しつつも再戦に向けて言葉に力を込めます。

「次はスタメンで出たいです。早明戦は自分も後半から出て、FWで当たり負けてやられたことが多かった。みんな分かっている
とは思うのですけど、FW勝負。BKがいくら強くても、FWで体を張らないと勝てないです。」

この日の序盤、BK陣が鮮やかにトライを重ねたシーンについて、記者会見で齋藤直人主将が「FWの頑張りのおかげ」と話した事を
伝えるとニッコリと。

「直人さんがそう言ってくれたなら、またそう言ってもらえるように頑張ります。」

4年生の為に戦いたいと話す久保優選手、生命線となるスクラムで体を張り続けます。【鳥越裕貴】



後半11分、タックルに絡まれながらもインゴールに飛び込むPR久保優選手。「愛されキャラ」(LO三浦駿平選手)と先輩から
可愛がられる好漢は大学初トライ後、祝福に駆けつけたメンバーにもみくちゃに。

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