始動

10日、早大・大隈ガーデンハウスで行われた予餞会。OB、現役部員の見守る前で新チームのリーダーとして
松嶋敏泰部長より発表されたのが丸尾崇真新主将。壇上での挨拶で会の御礼、4年生への感謝を伝えた後に
力強く言い切ります。

「自分の代では今まで以上に努力し、齋藤組を超えるような1年、結果を残したいと思います。」

今シーズンは下川甲嗣選手とともに委員を務め、ラストイヤーは「役職はつくだろうなと」と心の準備は
出来た上で、「勝ちたいという…日本一になりたい気持ちが一番強い男」(相良南海夫監督)と指揮官らと
話し合っての主将就任。高校時代(早実)に続く大役に記者から「主将はやりたかったか?」と聞かれると、

「あまり(人の)下について上手くできるようなタイプではないので(笑)、それなら自分が引っ張って、
自分らしくやりたいなとは思っていました。」

不動のNO.8として2年連続で秋の公式戦全試合に出場するも、委員という立場から周りを見すぎてプレーに
迷いが生まれ、パフォーマンスを上げられなかった苦い経験から、ラストイヤーに際しては自分らしさを
追及したいと話します。

「主将となりますが、僕は僕らしく。あまり周りを見すぎず、自分らしくやって行きたいと思います。
武器のスピードや自分の良さがあると思うので、最大限伸ばして圧倒的な力をつけてチームを引っ張って
行きたいと思います。」

背番号8をすぐそばで見続けてきた齋藤直人前主将も”らしさ”を出して欲しいとエールを送ります。

「良い意味で周りを気にせずに。色々言えたりできる(タイプ)と思うので、キャプテンとしても
そういうところを出して欲しい。プレーは申し分ないので、理想のキャプテン、いいキャプテンになろうと
しすぎずに自分の色で引っ張っていってほしいです。」(齋藤直人前主将)

委員として感じていた苦労を知る相良南海夫監督も”らしさ”を求めるとともに周囲のサポートに期待します。

「あいつはあいつのカラーを出してくれれば。キャプテンになったらなったで、また同じような悩みが
出てくると思うのですけど、あまり難しいことを考えずに周りが支えてくれると思いますし、(むしろ)
そういう組織にしたいですね。」(相良南海夫監督)

前年度優勝チームの有形無形の財産を引き継ぐ形での新シーズン、新国立のピッチに立った人間として、
その経験を新チームに落とし込みたいと新主将は力を込めます。

「やっぱり決勝の舞台を経験したというのは大きいと思います。あの決勝の緊張感というのを日々の練習で
厳しい雰囲気を作って、必ず日本一になる為に練習したいですね。」

もう一つ。”ワンチーム”そして”For One”と言葉を変えながらも佐藤組、齋藤組と受け継いできたチーム一丸
となる事の大切さも継承していきたいと話します。

「仲良しこよしをするわけではないですけど、上の人も下の人も全員が同じものを見る、同じものを目指す
という一体感は出していきたいなと思っています。」

自身のサポート役となる副将には下級生時代からともにFWを牽引してきた盟友・下川甲嗣選手とともに
「自分に無いものを持っている」(丸尾崇真新主将)とバックスリーの南徹哉選手を指名、ここ数年では
最多のトップリーガー5名を輩出する事になる4年生の大駒プレーヤーの穴をどう埋めていくかの課題に
向き合う旗頭となってほしいと期待を込めます。

「南は(昨年度)Aチームでずっと出ている訳ではないですけど、これまで圧倒的な人…(中野)将伍さん
とか直人さんがいた…それに隠れていたような人たちがどうやって這い上がっていくか、そういう象徴的な
人物になると思うので、そういう面に期待して副将という役職をお願いしました。」

下級生時代からアカクロを着て最前線で戦ってきた丸尾主将、下川副将と下のチームからアカクロを狙う
南副将。同じくアカクロを狙う高木樹選手、小針悠太レフリーもそれぞれ委員、副務として学生幹部入り、
上のチームも下のチームもスタッフも…様々な観点からチームを一つにしたい思いが伝わる新体制。
記者から「いよいよ始まりますね」と話しかけられるとやんわり否定します。

「僕の中では決勝で勝った時から、(ノーサイドの)笛が鳴った時から始まっています。結果でしか
示せないと思うので、必ず日本一になって”荒ぶる”を歌いたいと思います。」

決勝戦のピッチでも一人だけ嬉し涙は流れず、4年分溜め込んだ涙を国立で流す日だけを見据えてチームと
して12日に始動します。【鳥越裕貴】



下川甲嗣、南徹哉両副将とともに写真に収まる丸尾崇真新主将(中央)。昼間の追い出し試合の時から
やや表情が固く…その事に触れると「自分はそんなに緊張しているつもりはなかったのですけど、
何人かにそう言われたので、やっぱりちょっとだけ緊張していたのかなと思います(苦笑)。」

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