初陣

12日、対抗戦開幕戦・立教大戦。アカクロデビュー戦にして、大田尾竜彦新監督が選ぶチームMVPに選出されたのが2年生CTB岡ア颯馬選手。

「素直に嬉しかったです。80分を通してミスが少なかったのとアタックがしっかり整備されていたので、その力に少しでもなれたのが評価されたのかなと思います。デビュー戦というのもあったのですけど、自分のパフォーマンスを発揮できたと思います。」

2年目の今シーズンは春からAチームに定着、昨年度大学選手権決勝を経験しているメンバーがずらりと並ぶBK陣に入り、落ち着いたプレーを重ねます。

「ラインスピードを上げることだったり、もう一回ワセダのアタックを生き返らせる事が自分の役割だと思うので、その辺がしっかり出来た事は良かったです。ボールのもらい方だったり、パスの精度というのは拘っています。周りに凄い選手がいっぱいいるので、僕は自分の仕事をやるというか、最大限(力を)発揮する事が一番大事かなと思っています。」

この試合でも後半18分、SO吉村紘選手からのパスが後ろに流れたところを上手く体を反転させて何事もなかったかのようにWTB平田楓太選手へと繋ぎ、トライを演出します。

「外が余っているのが分かっていたので取って繋ぐだけと後ろ向きでもしっかり放れました。外のコールもあったのが大きかったです。」

前半24分、後半43分には抜け出たランナーをサポートしてトライも記録、繋ぎ、仕留めとアカクロデビュー戦とは思えないほど自信に満ち溢れたプレーを披露、チームメイトの良いプレーには笑顔で迎え入れるなど余裕も感じさせます。

「緊張はしたのですけど、一週間すごくいい準備が出来ていたのと、楽しみの方が強かったのでいい形で入れたと思います。楽しくラグビーをやる時が自分は一番うまくいくと思っているのでそのために笑うこともそうですし、声掛けも意識している部分です。チームがいい方向にいくために自分がやるべきことをやっています。」

最高のアカクロデビューにも課題はあると気を引き締めます。

「細かい精度であったり、ボールキャリーひとつにしてもまだまだ拘れることがあると思うので上げていきたいのともっともっと空いているスペースに僕が動いてボールを運べるようにやっていきたいと思います。まだまだ(吉村)紘さんとかのコールで動いている部分があります。紘さんとかと考え方をあわせながら、動き出せるようになればいいと思います。」

オールブラックスのリーコ・イオアネ選手の自分でも勝負でき、空いているスペースを突くプレーを参考にしていると話しながらも、追いかける背中は昨年度の筑波大主将で現静岡ブルーレヴズの3歳上の兄・航大さん。アカクロデビュー戦にあたって「『頑張って』とか『試合見たよ』とかの簡単なメッセージのやりとりくらい」と笑いながらもその存在が力になっていると続けます。

「自分の目標でもありますし、常に自分が追いかけてきた存在でもあるので、良い刺激をもらっていますし、頑張らないといけないと思わせてくれる存在です。兄を越えるというのは小さい頃からずっと思っていたので、一番近くに居る目標は兄です。」

次戦は25日の日本体育大戦、意気込みを話します。

「アタックではスピードあるワセダのアタックを自分が牽引できるようにというのと、ディフェンスでは(相手に)外国人選手もいるのでそこで接点で引かず、接点の部分で少しでも前に出れたらと思います。」

下級生ながら練習中からよく声を出し、既にチームの中心選手としての空気感さえ漂わせる岡ア選手、兄の背中を追いかけて2年目のシーズンが始まります。【鳥越裕貴】



アカクロデビューを果たしたCTB岡ア颯馬選手。ワセダ伝統のジャージ授与の儀式『おしこみ』も初めて体験。
「ユニフォームをもらった時というのは独特な雰囲気だったり、ワセダの伝統を感じた部分でアカクロを着て試合に出る責任感を感じ、緊張しました。」

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