前進

25日、日本体育大戦。2戦連続の2トライ、1年生ながらチームに勢いを与えているのがNO.8佐藤健次選手。前半2分、ラインアウトからのサインプレー、HO川ア太雅選手とのコンビでディフェンスを攻略、息の合った先制トライを振り返ります。

「相手が(川ア)太雅さんに詰めてきているのが分かったのでそこで自分もボールを呼びましたし、太雅さんも僕が空いているというのが分かっていたのでそこはうまく2人の中でいいコミュニケーションが取れたのかなと思います。」

後半40分には敵陣ゴール前スクラムで相手ボールをFW全員で押し込んでターンオーバー、足元に来たボールを拾ってダメ押しのトライを記録。

「ただ真っすぐ当たるのではなくて、少しショートステップしてずらして当たるというのはずっと意識していたことなのでそれが出たのかなという事と地道に前に出続けるというのは自分のいいところだと思うので、1センチに拘った結果がトライに繋がったのかなと思います。」

試合中も着実にゲインを重ねてチャンスメイク、「相手に芯で入られるシーンがあまりなかった。うまく相手をずらせて自分の強い間合いで当たれたのがすごい良かった」と笑顔を見せます。

最近、拘っているというショートステップでお手本としているのが2学年上のFL相良昌彦選手、練習中からその一挙手一投足を追いかけます。

「コンタクトの強さもそうですけど、パスもできて全部が上手くてプレーヤーとして凄いなと思います。コンタクト周りもちょっとしたショートステップであったり、自分のコンタクトエリアに持って行くまでの動作がすごく上手い。昌彦さんのプレーを見て学ぶことが多いです。」

春シーズンからAチームでプレー、入学当初は高校とのコンタクトレベルの違いは勿論、「全部が整備されているので、高校も同じグラウンドで15人でやっていましたけどスペースがどんどん狭くなってきている」と戸惑いを感じる事も。それでも夏合宿で帝京、明治とトップレベルのチームの対戦で手応えを掴みます。

「明治戦も帝京戦も自分の持ちたい形、思い描いているようなアタックをする時はゲインする回数も多かったですし、ゲインできるなという感覚は少しずつ掴めてきました。一貫性を持ってできれば、いいアタックはできると思うのでそこを意識してやっていきたいと思います。」

活躍を見せた一方でこの試合のゲームテーマであった『精度』に関してはまだまだと首を振ります。

「タッチに出されたり、普通の継続の中でのキャッチであったりというのは大丈夫だったのですけど、ちょっとのコミュニケーションミスだったり…。自分の中でやってほしいプレーと向こうの選手がやりたかったプレーというのが少しかみ合ってなかったのでそこを練習中からコミュニケーションを取ってうまくチームとして一つのものを作り上げられたらいいなと思います。」

具体的なシーンとしてあげたのはラストプレー。ファーストトライ同様にラインアウトからHOとのサインプレーで攻め込むシーンで起きたノックオンを悔やみます。

「自分としてはもうちょっと宮武さんが前に仕掛けて、宮武さんと僕で2対1という場面を作りたくて、目線を前に向けた時にボールが来てしまってノックオンという形になりました。僕がキャリーとかそういうコールを出しておけば起こらなかったミスだと思うのでコミュニケーションで解消できるミスは減らしていきたいなと思っています。」

上井草での寮生活の同部屋は高校時代(桐蔭学園)の2学年先輩のSH小西泰聖選手。部屋の中では音楽をかけて二人で歌ったりと良いリラックス空間となっていると笑顔を見せ、部の雰囲気についても1年生がのびのびプレーできる環境があると話します。

「先輩がまず優しいというのが第一にあって、僕達が言いやすい環境を作ってもらえますし、先輩達から絡んできてくれるというか寮内でも話を凄くして下さるのでそういうのでプレーしやすい環境ができていると思います。」

開幕から力を発揮し続けるルーキーにとって最初の壁となるのが10/9・筑波大戦(江戸川)。慶應義塾大を破って勢いに乗る相手との一戦を前に言葉に力を込めます。

「アタックのところをアピールできればいいなというのと、ディフェンスのところで目標に置いているのがターンオーバーに繋がるタックル一本。そこをもっと高いレベル(の相手)で出来れば大学でももっと通用する選手になれると思うので、ディフェンスのところで相手の脅威になれるようなプレーをしたいです。」

アタックで存分に力を発揮しているルーキーのディフェンスについても注目の一戦です。【鳥越裕貴】



突進するNO.8佐藤健次選手。ゲインを重ねながらも課題も多いと試合を振り返り。「抜き切るところで抜き切れないであったり、空いているスペースがあるのにコールが届かなかったりと細かいところが完璧ではないのでそこを少しずつ埋めていきながら、もっとチームに貢献できるアタックができれば。」

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