始動

2月12日、寮生FW、寮生BK、外勤組とメンバーと時間を区切って新チーム初のユニット練習が行われました。BK陣がハンドリングスキルの向上に時間をかける一方で、FW陣はラグビーボールには全く触らず、スクラムの姿勢や体力強化メニュー中心でみっちりと体をいじめ抜きます。午前中の練習を終えて、引き上げてきた相良昌彦新主将が汗をぬぐいます。

「グラウンドに出て、いざユニットのメンバーを見てみると去年、その前とかと比べたら体が小さいな…と。今はセットプレーの技術云々の前にベースの筋力だったり、精神的なメニューでもある姿勢とかでベースを固めて…という期間ですね。」

ルーキーイヤーからアカクロに袖を通し、同期唯一のレギュラーで大学選手権優勝にいきなり貢献、3年生で委員を経験し満を持しての新主将就任に気持ちを引き締めます。

「1、2年の時はただラグビーをやっている感じでした。(委員の)去年は結構チームのことを考えて…という行動はしようとは思っていて、自分ではやっているつもりでも周りから見れば出来ていなかったと思います。今年はプレーでも、苦手ですけど言葉でも先頭に立って引っ張っていかないといけない、責任感は前の年と全然違います。」

主将就任にあたって、長田智希前主将からは「何も声はかけてもらっていない」と笑いながらも、間近で接して感じていたのはプレーでチームを引っ張る強い姿、自身もそうありたいと話します。

「あの人は喋るのもうまいのですけど、去年はそれよりもプレーで引っ張っていたなという印象がありました。長田さん自らトライを取ったり、突破したりとか、ディフェンスで勢いづけたりとかそういうプレーが多くてチームを引っ張ってくれていた。僕が今年はそういうプレーをしてチームを引っ張っていきたいと思います。」

昨年度のチームスローガン「Be Hungry」にこめられた思い、私生活の部分を含めて全てにおいて「ラグビーの事を考えて貪欲に成長する」という姿勢は継承したいと話しつつも、昨年度準々決勝敗退の要因となったミスの多さについては厳しくありたいと力を込めます。

「去年のシーズンはミスで負けたようなもの。いいところまでは行っているのですけど、点が取れないというのはイージーなミスが原因だと思うので、練習中からイージーミスを減らすために要求しあって、ミスに厳しく…そういう雰囲気を作っていきたいですね。」

人工芝グラウンド脇の部室の壁には昨年度のチームが残していった「規律」「要求」「反応」の貼り紙、ちらりと目をやり、続けます。

「(ミスを減らすためにも)要求と反応に関しては大事な要素だと思っています。父から去年、反応とか基礎的な部分が出来ていないと言われて、確かにそうだなと…。(去年の)委員会でそれをそのまま言ったら、長田さんとかもそう思っていて(貼り紙に)書こうとなりました。ずっと思っていたことなので、そこは今年も大事にしたいなと思っています。」

昨年度シーズンはスクラムでも苦戦、他大学と対抗できるセットプレーを作り上げるためにも春シーズンの試合が始まるまではサイズアップに時間をかけたいと話します。

「ベースのところで他の大学と差を埋めるそういう期間。FWに関してはまずは体重を増やすこと、そこで体を大きくして春デカくなった状態で試合に臨めるようにしたいです。そこから連戦になると思うのですけど、(体重を)減らさないように全員で工夫してキープできるようにしたいですね。全体練習に関して言えば、要求しあえる雰囲気を作れるように自分がミスに厳しくやっていきたいと思います。」

穏やかな日差しに包まれた一日、荒ぶる奪還に向けて地道な積み上げ作業が始まりました。【鳥越裕貴】



基本姿勢の練習に取り組む相良昌彦新主将。ともにチームを牽引する副将二人について「吉村には練習中のハドルとかで喋ってもらう役を担ってもらいたい。ラグビー脳、ラグビーIQがすごい高いので、全体も見れていますしそういうところで的確な声がけをしてもらいたいです。鏡に関してはロックはスクラムでもラインアウトでも重要なポジション、FWのセットプレーのところをまとめてもらい、そこの強化を一緒にやっていきたいと思います。」

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